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『サラベポポと魔法のコイン』物語 第2話





ここで『サラベポポと魔法のコイン』の誕生物語を

少しお話しましょう

 

もう23年も前になりますが 出版社からのオファーが

わたしの誕生日の当日にありました

「人間にとって お金って何?」というテーマで

 

人の心とお金のかかわりをテーマとした

子どもにもわかるような ファンタジックな物語を

書いてください

 

これだけの注文内容を受けて 原稿が仕上がったのが

8月13日 まる1ヵ月かけて 書き上げました


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初版4000部で 全国の書店に配本されました

今日までに熱烈なファンが 何人も現れました




しかし 出版不況時代はとうに始まっており 

大手の出版社と違い 宣伝力にも限界があるため 

書店から返本された多数の本が 

倉庫に保管され眠っている という事態となりました


 

たしか本を企画し出版した版元の社長さんの言葉として

わたしの耳の底に残っているセリフが

「20年くらいは 世の認識に先んじている」「世界文学だ」

と記憶しています

もう一人 200冊近くも買ってくださり 

全国に講演に行くたび

『サラベポポと魔法のコイン』を紹介し 宣伝し

その場で 売ってくださった方が やはりこの本は

「世に理解されるには 出るのがあまりにも早すぎた」

という言葉を残してくれました 

「この物語の世界を ぜひ実現したい」という言葉とともに


 

でもこの「残して」くれた という表記は正しくないです 

なぜなら「遺言」となったからです

木部寛さんは 本当に心のやさしい御方でした 

いつも世界の平和を祈り 身を清め心を清め

お掃除の好きな方でした

年齢は わたしよりも上で人生の先輩ですが 

営業の仕事を経験され

お金が生む世の中の矛盾をきっと実感され 

経済のしくみを変える必要性を

痛感されてきた方なのだとおもいます

この物語に登場するサラベポポという理想郷や

イリポス星のことを知って 大いに希望をいだかれ 

彼が生きた証しとして 本に出会った喜びと感謝とともに 

わたしに この作品への彼の深い愛を伝えていただきました


 

それなのに ああ それなのに……わたしは本当にどこまで

この自分が産み出した 

いいえ 自分という肉体の器を差し出すままに

ペンを通して 天から降りてきた 

ビジョンが表現された成果である

『サラベポポと魔法のコイン』という 

唯一無二の物語の価値を

わかっていたのでしょうか!?

 

(次回につづく)

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