こと玉小説術 第一回 スランプの克服と創造の源 タ行 ホの言灵
- kotoumishirabe

- 2024年1月26日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年4月8日
小説を書いていて、行き詰まってしまうことは、よくあります。
本人は必ずしも意識していなくても、流れが滞る。川の流れでいえば、停滞してしまう。
では、どうしたらこの度々やってくる壁を突破できるのか?
というテーマについて、考えたいとおもいます。
100パーセントピュアな原液、原像の世界があります。
これはハッキリいって、地上の三次元物質世界ではありません。
いわば霊界。あるいは神界です。つまり、物質を超えた高次の世界です。
ここでは、真実も正しさも善も美もまったく損なわれることなく、邪魔されることもありません。
まったき姿で調和的に存在している思考の鋳型(テンプレート)があります。そして、おそらく天使に近い住人もいます。

音楽家でも小説家でも彫刻家でも、作り手がどこに創造の源泉を求めるのか、ということは、第一番に大事なことです。
そこで、上に書いた完全に調和した界層にある世界、宇宙にアクセスする必要があります。
そこから流れてくるものを受け取って、この三次元、物質世界に表現することをしたい、とおもうのですね。でないと、つまらない……。進歩がないから。
この地上に現れている不完全さと水平次元につながって、どこまでもどこまでも悩み苦しみ悲しみ憤り不平不満惨めさ疑い恐怖不安みたいなものを再現していっても、そこには希望がありません。
「どう?リアルでしょ」と、鼻づらに現実の模造品を突きつけられて、「おー、リアルねー」と、喜ぶ人ももちろんあるにはあるにしてもです。
だからこそ、より純粋で、本質的なものを作品に結晶化させたい、というのが、作り手としての偽らざる願いなのです。
では、なにをすればいいのか。
いきなり書く。ひたすら書く、というのもありですが、それでは、先に述べた垂直次元から降りてくるものが表現されません。
だからまず想いを受け取る作業が必須です。そして、つぎに書く作業が来ます。
前者は、高次元世界から、よりピュアーで、本質的なものの輝ける原石の世界、原液、原像の世界につながること、そしてそうしたものをダウンロードしてくる段階です。

「小説を書いていて、行き詰まってしまうことは、よくあります。」
ということを、冒頭に書きました。
この行き詰まりを打開できるのは、じつは書いている時ではなくて、書いていない時なのです。(能率本位の社会では盲点になりがちですが)
たとえば、お風呂に入っている時。
朝、目を覚ましてまだ寝床から出ないでぼうっとしている時。
外の空気にあたり散歩している時。
そういう時に、何の脈絡もなく、パッとひらめくもの。萌(きざ)してくるもの。
それは、ほんのささやかな気づきだったり、アイデアだったりする、種にすぎないものです。
けれども、どんな大樹も一粒の種子から成長します。わずかな一粒の種子が増えてゆくというのが、≪タ行の言霊の法則≫です。
しかし、それは目に見える次元のことで、ここではもっと原初的なレベルに注目します。それは五十音の言霊の発生のはじまりである「ホ」です。その幾つかの法則の中に「火浮(ほのめ)く」というのがありますが、この波動が関係してきます。
書かれた文章から離れて、文字や文章に頼らないで、イメージ的に想い起してみるのです。
これまでに書いてきたことやこれから書こうとして、まだ文字化していないことを、総合的に俯瞰してみて湧いてきたひらめきや直観を信じます。
かけらでも断片でもいいのです。信じることが大切です。
それは天使が教えてくれているサインかもしれません。神(宇宙)に祈ることもよいでしょう。
これが種子となって、思いもよらない斬新な発想を授かったら、すぐにノートに書きとめましょう。
ブレーンストーミングも呼び水の働きをなして、つぎつぎと手掛かりとなる言葉やイメージを引き出すことがあり、よい方法です。
また、自分が書いた作品世界というのは、まだ制作途中であってもすでにこちらの物質次元よりも精妙な波動圏のアストラル界など高次の界層に原型ができつつあります。ということは、原稿を読み返し、そちらの世界に意識を合せ、チューニングすることができたなら、その架空の世界に自分の身を置いている気となり、そこから新しい視点を獲得でき、より深くて面白い展開へと発展させてゆくチャンスともできるということになります。
次回はこの点について、実作に即してもう少し具体的にお話ししたいとおもいます。
第1回のまとめ (塾風に?) 1月30日更新
1.アウトプットする前の段階である受け取ることが大事。
2.執筆を進めてゆく過程で何度も行き詰まりや停滞の壁にぶつかります。
乗り切り方として、注意を量的なことから質的なことに向けかえます。
3.連続性からではなく、非連続から思わぬ救いの手が差し伸べられると信じましょう。
4.体験を積み重ねてゆくことで、「創造の源への信頼」が養えます。
26th Jan, 2024 言海 調



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