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ペーパーバック版『しじまの彼方から』のオンデマンド出版をやり終えて

更新日:2024年1月30日

ペーパーバック版をすでに読みはじめているという方からの声が色々と聞けています。

 なにしろボリュームがあるので、読み進めるのにどうかな、と多少は懸念もあったのですが、なんのその。意外や意外。快調に飛ばしているもようです。


 一週間くらいのうちに六百数十ページと、スイスイ読み進めている人。長いので完読した時点では忘れているかもしれないと、印象が鮮明なうちに読後感想(実際は途中の感想なのですが)を知らせてくれる方。上巻が終ってもう「下巻に突入」したと報告してくださる方。そうかとおもうと、これは一気に読もうとするよりは、じっくりと読むべき本と感じて、聖書やその他のヨーロッパの古典文学・歴史などの書物とおなじ扱いにいれ、毎日未明に一定時間をあてて、じょじょに読み進めていると知らせてくださる方もいらっしゃいます。(この方はヘブライ語、ギリシア語で聖書を読むほか、ラテン語、英語など原語で読む習慣をもたれています)


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なんにせよ、有り難いなと、つくづく感じています。というのも、作者と読者の両方がいないと、作品はその存在意義と働きにおいて完全にはなれないということを、ますます実感しつつあるからなのです。自己満足やたんに売れて多くの人に読まれればよいというだけだったら、こうはなりません。



 当然ながら、作品は生まれる以前から、使命をにない、さらにわたしという人間を表現媒体として形になり、印刷と製本の工程を経て、皆さんのお手もとに届くにとどまらず、そこからまたどのように読まれ、その人その人の経験や想像力や思索や理想と合わさることで、思考や感情や行動に反映され、宇宙に放たれてゆくのか。そういう過程の全体が、大切だと信じるからです。いわば共同創造ですね。



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 その意味でも、文章が読みづらいとか、本の分厚さが心理的な抵抗障壁になってしまうとかの理由で、内容にはいってゆけなくなるとしたら、これは作者としてはとても残念なことであります。このことはきっと容易に想像していただけることでしょう。


今までは電子書籍ということで買うのを控えていた人とか、電子書籍を手に入れたはいいけれども、ページ数が表示されないため、自分が今どのへんを読んでいるのかがわからなくて、不安にかられたり、はりあいにいまひとつ欠けたりとか、といった声も聞いていただけに、このたびペーパーバック版がオンデマンド出版により、実現できたことは、非常に意義のあることだったということが判明してきて、安堵するとともに、その喜びをしみじみとかみしめている今日この頃です。




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